日常の場で安心に配慮することと、専門家がトラウマに関係する症状や困りごとを評価し、支援を検討することは、役割が異なります。後者は「トラウマスペシフィックケア」と呼ばれます。
この記事では、一般的な配慮や心理教育との違い、専門職と相談するときに確認できることを説明します。特定の治療法を誰にでも勧めるものではありません。
専門的な支援で行うこと
トラウマスペシフィックケア(Trauma-Specific Care。TSCと略されることがあります)は、トラウマに関連する症状や困りごとを、専門職が評価し、支援や治療を検討することを指します。生活の状況や健康状態、本人の希望を踏まえて、必要な支援を個別に話し合います。
米国退役軍人省と国防総省の2023年ガイドラインは、成人のPTSDを対象に、いくつかの心理療法を推奨しています。これは対象を限った指針です。同じ方法が誰にでも合うという意味ではありません。
日常の配慮や心理教育との違い
日常の配慮は、手順を説明する、休憩を選べるようにするなど、安心して利用できる環境を整えることです。心理教育は、心身の反応や支援の選択肢について一般的な情報を得るものです。どちらも大切ですが、個別の評価や治療を行うものではありません。
専門的な支援は、適切な資格や訓練を持つ専門職が、本人と相談しながら進めます。この記事を読んで自分で診断を決めたり、治療法を選んだりする必要はありません。
選択と相談を中心にする
専門的支援を検討するときは、治療の目的、進め方、期待される利益と負担、代替案、途中で見直す方法を説明してもらい、疑問や希望を話せることが大切です。つらい出来事の詳細をどのように扱うかも、本人と専門職が相談します。
どの治療法も全員に同じように合うわけではありません。合わないと感じたら、理由を伝えて相談したり、別の方法や専門家について尋ねたりできます。
相談を考える目安
苦痛が続いている、睡眠や仕事・学業、対人関係に大きく影響している、自分を傷つけたい気持ちがあるときは、医療機関や心理職などに相談できます。緊急の危険がある場合は、地域の緊急支援を利用してください。
相談の際に、すべてを一度に話す必要はありません。「何に困っているか」「どんな説明や配慮があると話しやすいか」から始めることもできます。
よくある疑問
専門的な支援を受けるとき、体験を詳しく話す必要がありますか?
支援の内容によって異なります。詳しく話すことを一律の条件とせず、何をどのように扱うかを担当の専門職と相談できます。
特定の治療法が一番よいですか?
対象や本人の希望、状況によって異なります。ガイドラインは判断の助けですが、個別相談の代わりではありません。
参考資料
- Trauma-Informed Care in Behavioral Health Services (TIP 57)SAMHSA
- Overview of Psychotherapy for PTSDNational Center for PTSD, U.S. Department of Veterans Affairs
- VA/DoD Clinical Practice Guideline for PTSD and Acute Stress Disorder (2023)U.S. Department of Veterans Affairs
- Trauma TreatmentsNational Child Traumatic Stress Network
参考資料は記事作成時に確認したものです。個別の診断や治療方針については、担当の専門家にご相談ください。